この記事をおすすめする人
・色彩検定2級を勉強中の人
・基礎を見直したい色彩検定1級を勉強中の人
・色彩検定3級を合格し、2級を挑戦しようか迷っている人
この記事では、『光の性質と色』について解説します。
赤字部は重要なので、色彩検定を受ける時には覚えていきましょう！
この記事は、色彩検定3級の『色はなぜ見えるのか？』を踏また発展的な内容になっています。
もし、まずは基礎から学びたい人や色彩検定3級の内容を振り返りたい人はこちらを読んでください。
※この記事は2025年時点の色彩検定2級の出題範囲を参考にして作成しています。
- 色のユニバーサルデザイン
- 光と色
- 光の性質と色←この記事の内容
- 視覚の構造と色
- 照明
- 色の表示(表色系)
- 色彩心理
- 色彩調和
- 配色イメージ
- ビジュアル
- ファッション
- インテリア
- 景観色彩
- 慣用色名
1．色を認識するための要素
人がモノを見て色を認識するためには、光源、物体、視覚の3つの要素が必要です。
この3要素のどこについての話をしているのかを意識しながら読んでいくと理解しやすくなりますよ。
2. 光の特性を表すグラフ(分光分布)
色を認識するための3要素の一つである『光源(光)』の特性を表すグラフについて説明します。
光の成分を表したグラフを分光分布といいます。
分光分布のグラフは横軸が波長、縦軸が光に強さで表します。
例えば、下図は電球の分光分布です。
橙以降の長波長域(約600～780nm)の光が強く、青から青緑の短波長域(約380～500nm)の光が弱いことから、光の色が赤みがかっていることがわかります。
画像出典：パナソニック株式会社
3. 色の見え方と光の性質
色を認識するための3要素の一つである『光源(光)』が『物体』に当たった時の色の見え方を表すグラフと光の性質の一つである反射光について説明します。
3-1. 色の見え方を表すグラフ(分光反射率曲線)
光が反射する物体に当たった時の見え方をグラフを分光反射率曲線といいます。
横軸は波長、縦軸は光の反射率を表しています。
分光分布とグラフが似ていていますが、何を表しているグラフかで見分けることができるので間違えないようにしましょう。
| グラフ名 | 対象物 | 横軸 | 縦軸 |
| 分光分布 | 光 | 波長 | 光の強さ |
| 分光反射率曲線 | 光が当たる物体 | 波長 | 反射率 |
反射率が高いと明るい色、反射率の高低差が小さいと彩度が低くて無彩色に近い色になります。
- 無彩色は反射率が水平に近い
- 白色：全体的に反射率が高い→明度が高い
- 黒色：全体的に反射率が低い→明度が低い
- 灰色：白色と黒色の中間
- 青：380～500nmの青紫・青の反射率が高い
- シアン：青より青紫・青に加えて緑の反射率も高い
- 青みのグレイ：シアンより反射率の高低差が小さく、無彩色に近い
有彩色の場合、反射率の高さと色の明るさが一致しないことがあります。
例えば、マゼンタより全体の反射率が低いシアンの方が、実際の明度が高いです。
- 赤：赤の波長の反射率が高い
- 緑：緑の波長の反射率が高い
- 黄：緑と赤の波長の反射率が高い
- 加法混色R(赤) + G(緑) → Y(黄)を示しています。
※加法混色については、過去にこちらで説明しています。
3-2. 反射光
光が物体に当たった時、空間的な反射光の広がり方が物体の色の見え方に影響を与えます。
反射光には正反射と拡散反射があります。
正反射は光が入ってくる角度(入射角)と光が反射する角度(反射角)が同じ反射のことで、鏡のような滑らかな面での反射のことです。
拡販反射は入射角に対して、反射角が散らばっている反射のことで、マット紙のような凹凸のある面での反射のことです。
まとめ
『光の性質と色』について説明していきました。
本文中の赤字部は全て重要ですが、「一度に全部は覚えられないよ」という人はまずは下のまとめから覚えていってください。
また、色彩検定2級は色彩検定3級を踏まえた発展的な内容になってるので、3級の内容も振り返りながら理解を深めていってください。
(※)この記事に対応する色彩検定3級の内容はこちらです。
- 光の成分を表したグラフを分光分布という
- 光が反射する物体に当たった時の見え方をグラフを分光反射率曲線という
- 反射光には正反射と拡散反射がある
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました！
