【色彩検定3級対策】第2回_色を感じるための眼のしくみについて解説

この記事をおすすめする人

・色彩検定3級を勉強中の人

・基礎を見直したい色彩検定2級・1級を勉強中の人

・目からどうやって色を感じているの？と興味のある人

この記事では、『眼のしくみ』について解説します。

赤字部は重要なので、色彩検定を受ける時には覚えていきましょう！

基本的な眼のしくみなので、色彩検定を受けなくても興味のある人は読んでみてください。

※この記事は2025年時点の色彩検定3級の出題範囲を参考にして作成しています。

色彩検定3級の出題範囲とこの記事の内容

1．色を感じる眼のしくみ

色を認識するための光源、物体、視覚の3要素の一つである『視覚(眼)』とは何かを説明していきます。

視覚とは、光の刺激を眼で受けて感じる感覚です。これにより、人は色を感じることができます。

光を感知して色がどのように見えるかを知るために眼のしくみを学んでいきましょう。

ただ単に単語の名前を覚えるだけだと大変ですよね。

光を感知するまでの流れで出てくる名称を覚えてから、その他の名称を覚えていくのがおすすめです。

まずは光を感知するまでの流れを説明していきます。

下の図と各名称のはたらきで流れのイメージをつかんでください。

光を感知するまでの流れ

眼の構造について、もう少し詳しく説明していきます。

名称とはたらきをセットで覚えていきましょう！

覚えるのは大変ですが、名称の漢字から意味（はたらき）や位置が推測できるものもあるので、図と説明を照らし合わせながら読んでみてください。

	名称	名称の説明
1	虹彩こうさい	瞳孔の大きさを拡大・縮小して眼に入る光の量を調節する。
2	瞳孔どうこう	虹彩の中心にある黒目の部分。明るい所では小さく、暗い所では大きくなる。
3	角膜かくまく	光を屈折させて眼球内部に集める。
4	水晶体すいしょうたい	光を屈折させて焦点を合わせる。
5	毛様小帯もうようしょうたい	水晶体の周りを引っ張る繊維群。
6	毛様体もうようたい	基部にある毛様体筋で毛様小帯の引っ張りぐあいを調整し、水晶体の厚みを変えて焦点合わせの微調整をする。
7	硝子体しょうしたい	眼球のほとんどを占める物体
8	網膜もうまく	光を像として結ばれる。さまざまな細胞で構成されている。(詳しくはこちら)
9	強膜きょうまく	白目の部分。硬く、外光を通さない役割がある。
10	視神経乳頭ししんけいにゅうとう	視神経が束ねられている部分。視細胞がないので、ここに像があっても見えない。
11	脈絡膜みゃくらくまく	強膜と網膜の間の膜。眼球全体に栄養を送っている。
12	中心窩ちゅうしんか	黄斑の中心。網膜の中で最も解像度が高いので、色や形がよく見える。
13	黄斑おうはん	網膜の中心。血液が集まっており、瞳孔側から見ると、丸く濃く見える。
14	視神経ししんけい	脳へ情報を伝える。

網膜についてもう少し詳しく説明していきます。

網膜はさまざまな細胞で構成されています。

この細胞を結びつきながら光の情報を処理して脳へ情報が伝わっていきます。

ここでは網膜の構成とはたらきについて説明していきます。

網膜に到達した光は下の図のように、さまざまな細胞を伝えられて視神経を通じて脳へと送られます。

	名称	名称の説明
1	色素上皮層	網膜で最初に光が届く層。
2	視細胞	2種類の細胞がある。光を神経信号に変換する細胞。(詳しくはこちら)
3	水平細胞	視細胞同士を結ぶ細胞。
4	双極細胞	視細胞と神経節細胞を結ぶ細胞。
5	アマクリン細胞	神経節細胞同士を結ぶ細胞。
6	神経節細胞	視神経へ伝えるために信号がまとめられる細胞。

視細胞は光を神経信号に変換するはたらきがあります。この変換は色の感じ方や見え方に大きくかかわるため、学んでいきましょう。

視細胞は錐体(すいたい)細胞と杆体(かんたい)細胞の2種類があります。それぞれの細胞の特徴は以下です。

	錐体細胞	杆体細胞
神経信号が出やすい場所	明るい場所	暗い場所
識別するもの	色	明暗
種類	3種類 ◆主に感じる光　S錐体：短波長(青) 　M錐体：中波長(緑) 　L錐体：長波長(赤) (S, M, LはそれぞれShort, Middle, Longの頭文字)	1種類
数	少ない	多い
感度	比較的低い (これが、暗い所では色が見えにくい理由)	非常に高い
場所	黄斑に集中して分布。中心窩の中心は錐体細胞のみ。 (これが、中心窩の解像度が高い理由です)	中心窩の周辺