【色彩検定3級対策】第8回_色彩調和と配色のルールについて解説!

色彩検定3級

この記事をおすすめする人

・色彩検定3級を勉強中の人

・基礎を見直したい色彩検定2級・1級を勉強中の人

・配色について興味のある人

この記事では、『色彩調和』について解説します。

赤字部は重要なので、色彩検定を受ける時には覚えていきましょう!

色の配色について説明しているので、色彩検定を受けない人も興味のある人は読んでみてください。

※この記事は2025年時点の色彩検定3級の出題範囲を参考にして作成しています。

色彩検定3級の出題範囲とこの記事の内容
  1. 色のはたらき
  2. 光と色
  3. 色の表示(表色系)
  4. 色彩心理
  5. 色彩調和←この記事の内容
  6. 配色イメージ
  7. ファッション
  8. インテリア
  9. 慣用色名

1.配色の基本的な考え方

2色以上の色を組み合わせることを配色といいます。

この時、配色のルールを使うことによって色彩調和を作り出すことができます。

また、客観的に色を使うことができ、求めるイメージや目的に合った配色を作ることができます。

配色の基本的な考え方は統一変化です。

配色の基本的な考え方
  • 統一:色相やトーンに共通性やまとまりをもたせた配色
  • 変化:色相やトーンに対照性をもたせた配色

統一と変化の説明の中の単語にも含まれているように、配色の手がかりとなるのが色相とトーンです。

配色をする時、色相もしくはトーンのいずれかに注目すれば調和のとれた配色になります。

色彩検定3級で覚えておきたい配色のルール
  • 色相を手がかりにした配色
  • トーンを手がかりにした配色
  • 色相とトーンを組み合わせた配色
  • 配色の基本的な技法(アクセントカラー、セパレーション、グラデーション)

1-1. カラーダイヤル

カラーダイヤルとは、トーン別の色相環を同心円状に組み合わせたもので、PCCS(※)の考え方に基づいて作られています。

(※)PCCSについてはこちらで詳しく説明しています。

同じ円周上には同じトーンの色が並び、円周の外側から高彩度→中彩度→低彩度に分かれていて、同じ列には同じ色相が並んでいます。

このカラーダイヤルを使うことで、色相の違う色とトーンの違う色が同時にわかるので、配色をする時に役に立ちます。

2. 色相を手がかりにした配色

色相を手がかりにした配色とは、色相差がどれくらいかを考えて配色する方法です。

この配色では、トーンを自由に選ぶことができます。

PCCSでは、色相差は色相番号の差で判断します。

色相を手がかりにする配色には、『共通性のある配色』『やや違いがある配色』『対称性がある配色』の3種類があります。

もしくは、同一色相配色、隣接色相配色、類似色相配色、中差色相配色、対照色相配色、補色色相配色の6種類の配色に分類することできます。

色相を手がかりにした配色の種類
  • 共通性のある配色(色相差 0~3)
    • 同一色相配色:色相差 0
    • 隣接色相配色:色相差 1
    • 類似色相配色:色相差 2~3
  • やや違いがある配色(色相差 4~7)
    • 中差色相配色:色相差 4~7
  • 対称性がある配色(色相差 8~12)
    • 対照色相配色:色相差 8~10
    • 補色色相配色:色相差 11~12

下図は黄色(8:Y)を基準とした場合の配色の種類です。

各配色について説明していきます。

2-1. 共通性のある配色(色相差 0~3)

色相の差がない、もしくは小さい色を組み合わせた配色を共通性のある配色といいます。

配色に共通性や統一感があり、まとまりやすいことが特徴です。

この配色には同一色相配色、隣接色相配色、類似色相配色が含まれます。

2-1-1. 同一色相配色(色相差 0)

色相の差がない(色相差が0)の配色を同一色相配色といいます。

共通性のある配色の中で最もまとまりが強く感じられる配色です。

典型的な例は濃淡配色です。

無彩色に色相はありませんが、PCCSでは無彩色と有彩色の配色も同一色相配色となります。

2-1-2. 隣接色相配色(色相差 1)

配色の色の色相が隣り合う(色相差が1)配色を隣接色相配色といいます。

共通性のある配色の中では統一感が比較的強く、まとまりが感じられる配色です。

新配色カード199a(※)では、奇数番号の色相はv(ビビッド)トーンだけなので、隣接色相配色にする時は必ずvトーンが入ります。

(※)新配色カード199aは、PCCSに基づいて作られた199色のカラーカードです。

2-1-3. 類似色相配色(色相差 2~3)

色相が似ている色同士(色相差が2~3)の配色を類似色相配色といいます。

共通性のある配色の中では色相の違いが感じられますが、まとまり感も感じられる配色です。

2-2. やや違いがある配色(色相差 4~7)

色相にやや違いがある配色をやや違いがある配色といいます。配色の説明がそのまま名前になっていますね。

色みの共通性や色相によるまとまり感が感じられなくて、色相の対照性を少し感じられることが特徴です。

この配色には中差色相配色があります。

2-2-1. 中差色相配色(色相差 4~7)

色相がやや違う(色相差が4~7)組み合わせの配色を中差色相配色といいます。

色味の統一感やまとまり感はあまりなく、変化や対称性も小さい配色です。

2-3. 対称性がある配色(色相差 8~12)

色相の変化が大きい配色を対称性がある配色といいます。

色みの共通性やまとまり感が感じられないことが特徴です。

この配色には対照色相配色と補色色相配色があります。

2-3-1. 対照色相配色(色相差 8~10)

色相が大きく離れる(色相差が8~10)組み合わせの配色を対照色相配色といいます。

色味の共通性や統一感がなく、変化や対称性が大きい配色です。

彩度の高い色では色相差がはっきり感じられて、コントラスト(※)のある配色となります。

(※)コントラストは対比や対照という意味です。

2-3-2. 補色色相配色(色相差 11~12)

色相が反対の位置にある(色相差が11~12)組み合わせの配色を補色色相配色といいます。

対照色相配色と同様に共通性がなく、よりコントラストが強調された配色になります。

派手で力強い印象の配色となります。

3. トーンを手がかりにした配色

配色を考える時、色相を手がかりにすることが多いですが、明度(明るさ)や彩度(鮮やかさ)で配色のイメージが変わります。

トーンを手がかりにした配色とは、この明度と彩度を合わせたトーンの位置関係を考えて配色する方法です。

トーン配色とも呼ばれます。

この配色では、色相を自由に選ぶことができます。

色相を手がかりにする配色には、『トーン共通の配色』『トーン対照の配色』の2種類があります。

もしくは、同一トーン配色、類似トーン配色、対照トーン配色の3種類の配色に分類することできます。

各配色について説明していきます。

トーン配色の種類
  • トーン共通の配色
    • 同一トーン配色
    • 類似トーン配色
  • トーン対照の配色
    • 対照トーン配色

3-1. トーン共通の配色

同じトーン、もしくはトーンが隣り合う組み合わせの配色をトーン共通の配色といいます。

この配色には同一トーン配色と類似トーン配色があります。

3-1-1. 同一トーン配色

トーンが同じ色の配色を同一トーン配色といいます。

彩度差がなく、明度差も小さいので、まとまりやすい配色です。

同じトーンの色を組み合わせるので、トーンが持つイメージがそのまま配色のイメージとなります。

3-1-2. 類似トーン配色

隣り合う位置にあるトーンの組み合わせの配色を類似トー配色といいます。

同一トーン配色と同様に、明度と彩度の差が小さいのまとまりやすい配色です。

また、隣り合うトーンはイメージが近いので、共通するイメージが強調されます。

隣り合うトーンには『縦方向』『横方向』『斜め方向』のように、方向によってイメージが異なります。

隣り合うトーンの方向による特徴の違い
  1. 縦方向:やや明度差があり、彩度差が小さい
  2. 横方向:明度差が小さく、やや彩度差がある
  3. 斜め方向:明度にも彩度にもやや差がある

トーンの区分図は縦方向に明度、横方向に彩度となっています。

特徴の違いを忘れても、トーンの区分図があればどの要素にやや差があるかがわかりますね。

3-2. トーン対照の配色(対照トーン配色)

トーンの距離が大きく離れた組み合わせの配色を対照トーン配色、もしくはトーン対照の配色といいます。

明度差、彩度差の大きい色の組み合わせで、コントラストのある配色になります。

対照トーンには『明度が対照的』『彩度が対照的』『明度と彩度が対照的』の3つの場合があります。

対照的な要素の特徴の違い
  1. 明度が対照的
    • 明清色と暗清色を組み合わせた配色
    • 明度の変化が大きい
  2. 彩度が対照的
    • 高彩度と低彩度を組み合わせた配色
    • 彩度の変化が大きい
  3. 明度と彩度が対照的
    • p – dp、もしくは b – dkgを組み合わせた配色
    • よりコントラストが強調される

4. 色相とトーンを組み合わせた配色

ここまで、色相とトーンのそれぞれを手がかりにした配色を説明してきました。

それぞれの配色効果を組み合わせて『統一』『変化』の効果を強調したりバランスをとったりすることができます。

色相とトーンを組み合わせた特徴的な配色の種類
  • まとまり感のある配色
  • まとまり感がありつつ変化もある配色
  • 変化とまとまりのバランスが取れる配色
  • コントラストが強い配色

※色相とトーンの組み合わせの種類に明確な決まりはないですが、
 ここでは組み合わせによる配色の特徴がわかりやすい上記4つの配色を説明します。

4-1. まとまり感のある配色

共通性のある配色(色相差0~3)とトーン共通の配色を組み合わせるとまとまり感のある配色を作ることができます。

ただし、同一色相で同一トーンだと2色にならないので、配色は作ることができません。

  • 共通性のある配色(色相差0~3)
    • 同一色相配色(色相差 0)
    • 隣接色相配色(色相差 1)
    • 類似色相配色(色相差 2~3)
  • トーン共通の配色
    • 同一トーン配色
    • 類似トーン配色

4-2. まとまり感がありつつ変化もある配色

共通性のある配色(色相差0~3)とトーン対照の配色を組み合わせでは、比較的彩度の高い色の組み合わせでは色相のまとまり感がありつつ変化もある配色になります。

また、低彩度と高彩度の組み合わせになると、高彩度だけの組み合わせよりもトーンのコントラストが強く感じられる配色になります。

  • 共通性のある配色(色相差0~3)
    • 同一色相配色(色相差 0)
    • 隣接色相配色(色相差 1)
    • 類似色相配色(色相差 2~3)
  • トーン対照の配色
    • 対照トーン配色

4-3. 変化とまとまりのバランスが取れる配色

対称性がある配色(色相差 8~12)とトーン共通の配色の組み合わせると、変化とまとまりのバランスが取れる配色になります。

高彩度で組み合わせると色相の対照性が強調されて、派手な配色になります。

  • 対照性がある配色(色相差8~12)
    • 対照色相配色(色相差 8~10)
    • 補色色相配色(色相差 11~12)
  • トーン共通の配色
    • 同一トーン配色
    • 類似トーン配色

4-4. コントラストが強い配色

対称性がある配色(色相差 8~12)とトーン対照の配色を組み合わせるとコントラストが強い配色になります。

比較的高彩度の組み合わせにすると、色相とトーンの両方の変化が同時に感じられる配色になります。

  • 対照性がある配色(色相差8~12)
    • 対照色相配色(色相差 8~10)
    • 補色色相配色(色相差 11~12)
  • トーン対照の配色
    • 対照トーン配色

5. 配色の基本的な技法

ここまで説明してきた色相とトーンを手がかりにした配色の他に、配色の基本的な技法であるアクセントカラー、セパレーション、グラデーションを説明していきます。

どれも配色の印象に大きく作用する方法なので、覚えていきましょう。

5-1. アクセントカラー

小さい面積で配色全体を引き締める色のことをアクセントカラー(強調色)といいます。

アクセントカラーは配色に変化を与えたり、強調したりするときに使います。

具体的には、面積が一番大きいベースカラー(基調色)と面積が二番目に大きいアソートカラー(配合色)の間に小さい面積でアクセントカラーを使用します。

この時、アクセントカラーは全体として目立つ色であればいいので、有彩色だけでなく、他の色と差が大きい無彩色も使うことができます。

また、アクセントカラーは必ずベースカラー、アソートカラーで3色配色にする必要はありません。

例えば、ベースカラーを基調として、アクセントカラーをワンポイントにした2色配色にすることもできます。

このように、色数に関係なく、自由な位置でアクセントカラーを使用することができます。

5-2. セパレーション

配色で色の統一感や対比が強い時に、色の境界部分に小さい面積で別の色を加えて色を分離することをセパレーションといいます。

セパレーションにはコントラストを調整するはたらきがあります。

例えば、色の対比が強い時には和らげ、色の統一感が強くて色の境界がぼやける時には引き締める効果があります。

セパレーションで使う色は明度差があることがポイントです。

また、無彩色や低彩度の色がよく使われます。

さらに、明度差だけでなく、彩度差も大きい色にすると、セパレーションと同時にアクセントカラーとしての効果も出ます。

5-3. グラデーション

色を連続的、段階的に変化させながら配列した配色をグラデーションといいます。

色相、明度、彩度、トーンが規則的に変化した配色になることで、配色に動きや流が出てきます。

また、虹などのように、色の境界がはっきりしない色の変化もグラデーションといいます。

5-3-1. 色相のグラデーション

隣り合う色は色相差1~3程度が良いです。

高彩度のトーンの方が効果が高くなります。

5-3-2. 明度のグラデーション

トーン区分図の縦の関係で配色します。

有彩色だけでなく、無彩色でも配色できます。

5-3-3. トーン(明度と彩度)のグラデーション

隣り合う色は類似トーン配色にします。

純色と明清色、もしくは純色と暗清色が効果的です。

まとめ

『色彩調和』について説明していきました。

本文中の赤字部は全て重要ですが、「一度に全部は覚えられないよ」という人はまずは下のまとめから覚えていってください。

また、色彩検定では色を見て答える問題も出ることがあるので、実際に色を組み合わせて配色の効果(色彩調和)を実感してみてください!

まとめ
  1. 配色の基本的な考え方
    • 統一変化
  2. 色相を手がかりにした配色
    • 同一色相配色:色相差 0
    • 隣接色相配色:色相差 1
    • 類似色相配色:色相差 2~3
    • 中差色相配色:色相差 4~7
    • 対照色相配色:色相差 8~10
    • 補色色相配色:色相差 11~12
  3. トーンを手がかりにした配色(トーン配色)
    • 同一トーン配色:トーンが同じ色の配色
    • 類似トーン配色:隣り合う位置にあるトーンの組み合わせの配色
    • 対照トーン配色:トーンの距離が大きく離れた組み合わせの配色
  4. 色相とトーンを組み合わせた配色
    • まとまり感のある配色:同一/隣接/類似色相配色(色相差0~3)と同一/類似トーン配色
    • まとまり感がありつつ変化もある配色:同一/隣接/類似色相配色(色相差0~3)と対照トーン配色
    • 変化とまとまりのバランスが取れる配色:対照/補色色相配色(色相差8~12)と同一/類似トーン配色
    • コントラストが強い配色:対照/補色色相配色(色相差8~12)と対照トーン配色
  5. 配色の基本的な技法
    • アクセントカラー(強調色):小さい面積で配色全体を引き締める色
    • セパレーション:配色で色の統一感や対比が強い時に、色の境界部分に小さい面積で別の色を加えて色を分離すること
    • グラデーション:色を連続的、段階的に変化させながら配列した配色

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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