【色彩検定2級対策】第4回_照明の光とランプの種類について解説!

色彩検定

この記事をおすすめする人

・色彩検定2級を勉強中の人

・基礎を見直したい色彩検定1級を勉強中の人
・色彩検定3級を合格し、2級を挑戦しようか迷っている人

この記事では、『照明の光と種類』について解説します。

赤字部は重要なので、色彩検定を受ける時には覚えていきましょう!

この記事は、色彩検定3級の『照明と色の見え方』を踏まえた発展的な内容になっています。

もし、まずは基礎から学びたい人や色彩検定3級の内容を振り返りたい人はこちらを読んでください。

※この記事は2025年時点の色彩検定2級の出題範囲を参考にして作成しています。

色彩検定2級の出題範囲とこの記事の内容
  1. 色のユニバーサルデザイン
  2. 光と色
    • 光の性質と色
    • 視覚の構造と色
    • 照明←この記事の内容
  3. 色の表示(表色系)
  4. 色彩心理
  5. 色彩調和
  6. 配色イメージ
  7. ビジュアル
  8. ファッション
  9. インテリア
  10. 景観色彩
  11. 慣用色名

1.照明の性質を表す言葉

色の見え方は照明(ランプ)の種類によって影響を受けます。

この照明の光の性質を表す代表的な特性には照度、色温度、演色性があります。

それぞれ詳しく説明していきます。

1-1. 照度

照度は光が当たっている面(場所)の明るさを表すもので、単位はlux(ルクス)です。

同じ光でも、距離が離れれば照度は減少します。

屋外の照度目安は、晴れが100,000lx、曇りが10,000lx、雨が1,000lx、夜が数lxです。

また、JIS(日本産業規格)によって照明設計の目安として照度の推奨値が規定されています。

推奨照度[lx]作業の種類作業場所
(屋外/屋内)
事務所学校住宅
2000超精密な視作業屋内
1500非常に精密な視作業屋内
1000精密な視作業屋内居間(手芸、裁縫)
750やや精密な視作業屋内事務室製図室書斎(勉強、読書)
500普通の視作業屋内会議室、応接室実験実習室、保健室居間(読書)
300やや粗い視作業屋内受付、食堂、化粧室教室、食堂、体育館食卓、調理台
200粗い視作業屋内便所、更衣室ロッカー室、便所居間(団らん)、子供室(遊び)
100ごく粗い視作業屋外廊下、エレベーター廊下浴室・化粧室全般
50粗い作業屋外屋内非常階段非常階段居間・階段・廊下全般
20非常に粗い作業屋外寝室全般
10非常に粗い短時間作業屋外
1階段・廊下深夜

出典:JISZ9110:2011照明基準総則

1-2. 色温度

光の色味のことを光色こうしょくといいます。

この光色を数値で表すものを色温度といい、単位はK(ケルビン)です。

色温度が高くなるほど光色は青白く、低くなるほど赤みを帯びます。

1-3. 照明の雰囲気と色温度、照明

室内の雰囲気は光色によって大きく変化します。

色温度が高いとさわやかな印象に、低いと温かい印象になります。

また、照度も室内の雰囲気に関係します。

例えば色温度が低く、照度も低いと温かく落ち着いた印象になります。

1‐4. 演色性

光で照明されたモノの色の見え方を演色といいます。

演色(色の見え方)は照明光によって変わり、このような照明光の特性を演色性といいます。

演色性は演色評価数として数値化され、平均演色評価数Ra(アールエー)と表します。

最大値が100で、一般的には80を超えると演色性が良いとされています。

また、演色性は高いほど明るく感じられます。

2. ランプの種類

ランプは照明器具の中に入っている光を出す部分(電球など)のことを言います。

ランプは発光原理から分類すると、下図のように分けることができます。

これらのランプについて、白熱ランプ、蛍光ランプ、HIDランプ、LEDランプに分けて説明していきます。

2-1. 白熱ランプ

白熱ランプは熱放射による発光をするランプのことです。

つまり、明かりがついているときは触れないほど熱くなります。

私は子供のころ、うっかり触りそうになって「あっつ!」となった記憶があります。

だから電球を交換するときは、冷めたことを確認してから取り替えていました。

白熱ランプには白熱電球とハロゲン電球があります。

2-1-1. 白熱電球

白熱電球は色温度が2800K程度の君から赤みがかったあたたかみのある光色です。

電球内のフィラメントに電流を流し、フィラメントの温度を上げることで光を放つ(熱放射)ことにより発光する光源です。

光の量を自由に調整(調光)できるので、雰囲気に合わせた照明設計をすることができます。

また、演色評価数の基準となる光とほぼ同じ分光分布を持つ、演色性が高い光源です。

画像出典:Wikipedia

分光分布出典:パナソニック株式会社

2-1-2. ハロゲン電球

ハロゲン電球は白熱ランプの一種です。

白熱電球より色温度が高いものがあり、ランプが小型・高演色・明るいことが特徴です。

また、白熱電球より長寿命なので経済的です。

高級感ある光なので、宝飾店、衣料品店、食品店などの商業施設や看板などの照明にも使われます。

分光分布で示すように、長波長(赤色)が低いため、白熱でんきゅより赤みが抑えられています。

画像出典:日本照明工業会

分光分布出典:パナソニック株式会社

2-2. HIDランプ

HID(High Intensity Discharge)ランプとは、金属原子高圧蒸気中のアーク放電による光源です。

高輝度放電灯ともいいます。

一般的に、白熱ランプより長寿命で高効率です。

メタルハライドランプ、水銀ランプ、高圧ナトリウムランプ、低圧ナトリウムランプについて、説明します。

2-2-1. メタルハライドランプ

メタルハライドランプは長寿命で明るく、高演色で大光量です。

スタジアムや体育館などのスポーツ施設で使われることが多いです。

また、高演色なランプはデパートやスーパーマーケットなどの店舗や商業施設でも使われています。

2-2-2. 水銀ランプ

水銀ランプは白熱電球より3倍の発光効率で、長寿命です。

しかし、メタルハライドランプより演色性が低いため、道路や公園、工場、倉庫で使われていますが、利用範囲が限られています。

2-2-3. 高圧ナトリウムランプ

高圧ナトリウムランプは白熱電球より3~4倍の明るさ、4~9倍の寿命です。

このように高効率、大光量でもあることから、スポーツ施設や道路、景観のライトアップで使われています。

演色性の高いランプはホテルのロビーなどでも使われることがあります。

画像出典:岩崎電気株式会社

分光分布出典:パナソニック株式会社

2-2-4. 低圧ナトリウムランプ

ランプの中ではトップクラスの効率です。

分光分布で示すように、オレンジ系の単色光なので演色性は悪いです。

そのため、道路の照明やトンネル照明として使われていましたが、他の光源に置き換えられてきています。

画像出典:岩崎電気株式会社

分光分布出典:岩崎電気株式会社

2-3. 蛍光ランプ

蛍光ランプは光色の種類が多いことが特徴です。

そのため、様々な用途に対応することができます。

白熱ランプより高効率、長寿命、消費電力小さいので、経済的です。

蛍光灯ランプの分光分布は大きく3つのタイプに分けられます。

演色性が高い順に高演色形→3波長域発光形→普通形です。

下図は3波長発光形の分光分布を表しています。

高演色形3波長域発光形普通形
演色性高い普通低い
特徴Ra90以上省エネルギーと演色性を両立安価
使用場所美術館や博物館など住宅、オフィスなど店舗、アミューズメント施設など

2-4. LEDランプ

今の照明用の光源はLEDランプが主流になっています。

蛍光ランプの寿命が1万数千時間に対して、白色LEDの寿命は数万時間と長いことが特徴です。

分光分布が示すように、赤外線(380nm以下)・紫外線(780nm以上)でほとんど放出しません。

また、他の光源より温度上昇も格段に少ないので、美術品のような繊細なものの管理にも適しています。

さらに、分光分布は2つのピークを持つことも特徴です。

一つ目のピークは450~500nm付近で、青色LEDによる青色光です。

もう一つのピークは青色光を吸収して光を放つ物体(蛍光体)による黄色光です。

この青色光と黄色光の割合によって光色を変化させることができます。

分光分布出典:パナソニック株式会社

光色の種類電球色温白色昼白色昼光色
色温度(K)
※パナソニックの場合の目安
2700~3000350050006200~6500
光の色の特徴オレンジがかった温かい光色落ち着きのある明るい光色生き生きとした自然な光色青みがかったさわやかな光色
適したシーンや場所リビングや寝室など、くつろいでリラックスする場所などリビングなど、団らんするシーンやダイニングなど様々な場所で調理をするキッチンやダイニング、メイクをする洗面台など勉強部屋やリビング、読書をする場所、在宅ワークや子どものリビング学習など

出典:パナソニック株式会社抜粋

照明の光と種類についてのまとめ

『照明の光と種類』について説明していきました。

本文中の赤字部は全て重要ですが、「一度に全部は覚えられないよ」という人はまずは下のまとめから覚えていってください。

また、色彩検定2級は色彩検定3級を踏まえた発展的な内容になってるので、3級の内容も振り返りながら理解を深めていってください。

(※)この記事に対応する色彩検定3級の内容はこちらです。

まとめ

1.照明の性質を表す言葉

照明の光の性質を表す代表的な特性には照度、色温度、演色性がある。

照度光が当たっている面(場所)の明るさを表すもので、単位はlux(ルクス)
色温度光色(光の色味)を数値で表すもので、単位はK(ケルビン)
演色性演色(色の見え方)が照明光の特性で、Ra(アールエー)で数値化される

2.ランプの種類

白熱電球色温度が2800K程度
ハロゲン電球白熱ランプの一種だが、白熱電球より長寿命
メタルハライドランプ長寿命で明るく、高演色で大光量。スポーツ施設で使われることが多い
高圧ナトリウムランプ白熱電球より3~4倍の明るさ、4~9倍の寿命
低圧ナトリウムランプオレンジ系の単色光なので演色性は悪いが、ランプの中でトップクラスの高効率
蛍光ランプ光色の種類が多い。分光分布は大きく3つに分けられ、演色性が高い順に高演色形→3波長域発光形→普通形となる
LEDランプ今の照明用光源の主流。分光分布は青と黄~橙の2つの波長でピークを持つ

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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